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毎年、5月31日は世界禁煙デー(World No-Tabacco Day)
   5月31日〜6月6日は禁煙週間です。

禁煙体験記懸賞募集入選作品集profile

昭和62年・平成10年におこなった禁煙週間事業の禁煙体験記懸賞募集入選作品集です。(目次のページへ)

佳作(昭和62年)「コップ一杯の水」

「コップ一杯の水」

                                      橋 本 正 敏(室蘭市)

  私は牛乳店を経営する36歳の男性です。タバコから遠ざかってほぼ6年になります。当初は未練があったのか、時々夢にまでみることもありましたが、いまではすっかり忘れていることが多く、まったく吸いたいとは思わなくなりました。
  しかし、以前に2度ほど失敗したこともあり、自分はなんと意志の弱い人間だと失望したこともありました。ですから、禁煙できずに苦しんでいる人の気持ちはよく分かるのです。このたび私は実に楽にタバコと縁を切ることができました。この体験を苦しんでいる人たちに教えてあげたいと思います。
  まず、禁煙のおもな動機をあげてみます。1つめには健康のためです。百害あって一利なしといわれますが、その害は呼吸器系ばかりでなく、消化器系にも大変な悪影響を与えています。ある日、胃の調子が悪くて病院に行ったときに「胃薬を飲むより禁煙するほうが早く治ると」と先生にいわれ、改めてその恐ろしさを知りました。2つには職業がら喫煙者が大変少ないことです。3つは喫煙室とか禁煙車とか嫌悪権とかいうことばが、近ごろとくによく耳にしますが、これは一種の差別化だと思います。最後にあげておきたいことは自分に対する挑戦です。
  かって私が禁煙したとき、こんなことをしました。手持ちのタバコのすべてをにぎりつぶし、大切にしていたライターを他人にあげ、身の回りからすべての灰皿をなくし、他人に禁煙したことをアピールしましたが、これらは逆に失敗の大きな原因だったのです。
  私はこんなたとえ話を思いつきました。ある広大なサバクに一滴の水も与えられずにおかれたとしたら、絶望感に気持ちはパニック状態になると思います。しかし、コップ1杯の水を与えられたとしたら、脱水症状を起こす極限までがまんができ、最後まで水を持ち続けオアシスをもとめて歩くことができるのではないかということです。
  つまり、タバコをやめると思うなということです。吸いたければいつでも吸えるように、いつもタバコとライターは持っているのです。そしてタバコを吸う楽しみをあとに残すということです。
  朝起きて吸いたいなと思ったら朝食後に吸うことを楽しみにして1回がまんするのです。朝食が終わったら昼食まで楽しみをのばすのです。つぎは夕食後、入浴後、晩酌後と楽しみをどんどん先に伸ばすのです。吸いたければいつでも吸えるのですから。そして布団にはいり、朝起きて一服することを楽しみにしてグッスリ寝るのです。

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   昭和62年・平成10年禁煙週間事業
    禁煙体験記懸賞募集入選作品集
     2005年5月24日発行

 
発行者 北海道禁煙週間実行委員会
 
連絡先 札幌市中央区北4条西12丁目
     
北海道労働福祉会館4階
     
社団法人北海道衛生団体連合会内
     
電話 011−241−7924
 
編集人 黒木俊郎・鎌田慎一
  

事務局

〒060-0004
札幌市中央区北4条西12丁目
北海道労働福祉会館 4階
北海道公衆衛生協会内
北海道禁煙週間実行委員会

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