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毎年、5月31日は世界禁煙デー(World No-Tabacco Day)
   5月31日〜6月6日は禁煙週間です。

禁煙体験記懸賞募集入選作品集profile

昭和62年・平成10年におこなった禁煙週間事業の禁煙体験記懸賞募集入選作品集です。(目次のページへ)

佳作(平成10年)「ヤニの壁はベルリンの壁」

「ヤニの壁はベルリンの壁」

                                    後 藤 則 之(札幌市)

 私は、大学時代からたばこを吸っていましたが、健康にも良くないし禁煙をしようと決心し、就職してからは昼間はたばこを吸わなくても何とかなる日々が続きました。しかし、夜飲みに行くと間がもたず、ついつい一服してしまう悪循環から抜け出せずにいたのです。禁煙を志す方々は、夜の宴会でその禁を破ってしまうケースが圧倒的に多いと思います。
 そんな中途半端な状態を抜けきれずにいた5年前、たまたま、歯が痛くて我慢できず、歯医者を訪れた時のこと。歯医者さんから「歯を治療する前に歯垢を取り除かなければ治療できませんので、応急処置をした後で、歯垢を取り除くのに3日ぐらいかかりますが我慢してください」と言われてしまいました。
 実は、前日も、ついつい夜の宴会で1箱吸ってしまったばかり。今までまったく気にならなかった歯垢の除去が始まると、歯の裏に、たばこのヤニがびっしりこびりついているのがわかりました。歯科医用の小さな鏡を歯の裏に押し当て、恐る恐る覗いた光景は、見るのもおぞましいものです。
 歯の裏一面がまさに「ヤニの壁」です。お医者さんから「ヤニなど歯垢を取り除くと違和感がありますが気にしないでください」と一言。3日後、歯垢の除去が終わると、自分の口の中はさわやかで感覚的にはまったく別人のものでした。
 それ以来、あのおぞましい「ヤニの壁」が目に焼き付き、たばこを吸い続けるとヤニがこんなに蓄積するものかとの思いだけで、夜の宴会も含めての完全禁煙を再度決意せざるを得ませんでした。
 人と話をしていても間が保てないときや、ひと呼吸置いてリラックスしたいときには、どうしてもたばこに手が伸びてしまいがちです。飲んだときにはつまみにチョコチョコ手を出すとか、なるべく会話を進めるように気をつける。また、温水プールに通い、ストレスを発散するようにして、1年後には何とか全面禁煙にたどり着くことができました。
 それから4年、口の中の違和感はすっかりなくなり、食べ物の微妙な味が舌にしっかり伝わり心から味わうことができます。郊外に出ると空気がまさに「ウマイ!」と感じられ、腹いっぱい空気を吸うことができる日々が実現したのです。
 最近は、職場で禁煙タイムが設定され、その時間帯は、まあまあ快適なときを過ごすことができます。残念ながら、禁煙タイムが始まる直前は「愛煙家」の皆さんが大急ぎで一服を一斉に始め、空気の汚れがひどく、非常に不快なひとときとなります。特に風邪をひいているときは、咳が止まらず最悪です。
 愛煙家の皆さん、たばこを吸う人と吸わない人の間に見えない壁、いわば「ベルリンの壁」をつくるのです。たばこのヤニが人の間に壁をつくるのです。「ヤニの壁はベルリンの壁」です。数多くの人が禁煙体験を実現し、1日も早く「ベルリンの壁」が崩壊することを期待しています。
                                    
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   昭和62年・平成10年禁煙週間事業
    禁煙体験記懸賞募集入選作品集
     2005年5月24日発行

 
発行者 北海道禁煙週間実行委員会
 
連絡先 札幌市中央区北4条西12丁目
     
北海道労働福祉会館4階
     
社団法人北海道衛生団体連合会内
     
電話 011−241−7924
 
編集人 黒木俊郎・鎌田慎一
  

事務局

〒060-0004
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北海道労働福祉会館 4階
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